1941年、ヴィクター・ハッセルブラッドにより設立された、中判一眼レフカメラのパイオニア。だが、ハッセルブラッド家と写真との関りは、コダック社の創業者イーストマン・コダックとの交流や、コダック社の総輸入代理店の経営など、以前より続いていた。1940年、スウェーデン空軍からの空撮用カメラの開発を要請されたことが会社設立の契機となり、そうして生まれた「HK7」がハッセルブラッドの基盤となる。1948年には最初の市販モデル「1600F」が誕生。以来、コンセプトやシステムは、シクステン・サッソンによるデザインと同様、ほとんど変わっていない。1962年、ウォルター・シラーがロケットに「500C」を持ち込んだことからNASAとの関係が始まり、69年にアポロ11号が月面着陸した際もハッセルブラッドで撮影された。真の機能美は不変であることを教えてくれた。